第42回原点回帰の会のご報告

CWSAとしての新年度初の研修会でもある今回の原点回帰の会は、「目まぐるしく変わる、障がい者就労支援の現場の最近のニュースから」とのテーマで、アンケートを通じて参加者のみなさんと一緒にお話を展開していきました。

最近は、このスタイルが定番となっている「原点回帰の会」ですが、今回より私も参加することで、おふたりに定期的な「横やり」を入れることで、内容を「より広く」そして「より深く」展開できたのではないかと思っています。

今回も安定のコネクト松尾さんとリタリコ井福さんのコンビでスタートしています。


まさに「今」、就労支援の現場では、目まぐるしい変化の渦中にいます。

ニュースを見れば、就労継続支援A型事業所の閉鎖に伴う200名を超える障害者の解雇の問題が全国ニュースに載る時代です。

就労継続支援A型は、毎年のように上昇する最低賃金の上昇の苦しみに加えて、週20時間未満を対象とする社会保険料の支払いが義務化されることにより、もはや運営の継続そのものが困難となりつつあります。

今回のニュースは、まさにこの先に起きる社会保険料の負担問題を見越した閉鎖ということで、今後も閉鎖はさらに増え続けるのではないかという、実際に働いている方々も気が気でない内容といえます。


思い返せば就労継続支援A型は、制度化された直後から様々な問題を抱えて船出をしました。

世間には、A型なのかB型なのか、その差が全くあるように思えない事業所が地域に大量に生み出され、障害を抱える子を持つほぼすべての保護者が、「卒業後の進路先は就労継続支援A型に!」といったように、まさに狂乱とも言うべき時代を迎えました。

同時に、「この程度の仕事で最低賃金がもらえる!」といった安易な考えをもった障害者を、地域に大量に生み出すことにもつながり、B型で働く方が過酷といったようにB型を選択する人が極端に減るといった問題も生じることになりました。

まるで、「楽を求めて事業所を転々と彷徨い歩く」大量の人たちを生み出した時期とも言えます。


また福岡発の「就労移行支援と就労継続支援A型の多機能事業所」が起こした、「詐欺事件」もニュースにもなったこともあり、就労移行支援と就労継続支援A型事業所に対する不信感を生み出す結果となりました。

そこから始まったA型に対する「評価制度」は、いよいよ就労継続支援A型の「あり方」を問われることにもつながっています。


そのなかで、直向きに就労継続支援A型事業所を運営してきた法人は、ますます地域から求められる存在となっていくのですが、そんな法人からも『今の学生は、卒業後の進路先に「就労継続支援A型事業所」を希望する人はいないのではないか』という声も聞こえるようになりました。

背景には、それだけ一般企業の障害者雇用枠が広がったことに加えて、障害に対する配慮についての企業側も研究が進んでおり、様々な障害にも対応できる就労先が増えたことが要因と考えられています。

加えて、大企業になればなるほど、障害者を雇用する人数が増えるために、福利厚生もはるかに進むようになったことも、一般企業への障害者の就労を促進させたと言えます。

(私たちでは到底、雇用されないであろう大企業の名が、本当に連なっています・・・)

『もはや、就労支援は福祉が担うものではない?』と錯覚するほど、障害者の就労については裾野が広がったと言えます。


福祉サービスとしての就労支援サービスは、就労継続支援A型でもなければB型でもなく、『就労継続支援』があるだけになるのかもしれません。

それくらいに目まぐるしく変化した「就労継続支援」と言えます。


ここに加えて最近、はやりでもある「農園ビジネス」の問題も話に加わりました。


また、数年前に私が「地域から就労移行支援がなくなる日」と称して書いたブログの内容通りに、地域から就労移行支援事業所がなくなっていく、まさに「予言」が的中する様をみてきました。

「就労移行支援事業所は都心部では増え続けるものの、地方や地域には減っていく」ということを、数年前に計画相談を行なってきた私が地域から感じ取ったことをそのまま記載したことに端を発します。

まさに私たちの地区では、就労移行支援は減少の一途を辿ることとなっていくのですが、最近、再び全国区の有名な就労移行支援事業所が、その就労実績を携えて地域に設立する流れもでてきています。

それは、まさに就労移行支援事業所の「枯れた土壌」「不毛地帯」への再進出とも言えます。


時代は繰り返されるとはよく言ったもので、実力ある事業所が進出するための、地ならしとなったのかもしれません。


そして話は人材の確保と人材の育成についてにつながっていきます。

これからは就労支援事業の本質に対する理解が問われる時代となってきました。

大手の法人や事業所にはその経済力やネームバリュー、運営や支援のノウハウでも太刀打ちできない状況となるなかで、もはや、単独事業所として運営を継続することは「自殺行為」とも言えるかもしれません。

これからは、スイミーのように就労支援事業所の「連携・連帯」こそが生き残る道になるのではないかと予想するのです。

人材の確保や育成もその例外ではありません。

高騰する人材紹介サービスであっても、私たちは人を採用するために無視することは難しく、多くの法人や企業が高い紹介料を払いながら人の確保を行なっています。

そのため、自分の法人や事業所の差別化をいかに図るかを考えていかないと、私たちがいかに求人を出しても、「その他大勢のカテゴリー」に入れられ、求職者に見向きもされない状況となる可能性も高いのです。

また、ひとりあたり70万〜80万の紹介料の請求が当たり前の現在、配置の問題で事業運営を継続することができなくなることよりも、採用して支払った手数料が高くて継続できなくなることが、これからより大きくなるかもしれません。

地域から求められながらも、「人手不足で配置基準を満たせず事業所が閉鎖する」という、本当に恐ろしい時代となりました。

そこから、配置が満たされていないのに、給付費を不正に請求するという事件に発展しているのが、今の事業所の現状にも感じるのです。


原点回帰の会で、こういった小さな事業所が抱える問題に、一緒に取り組んでいくことができればいいなと感じました。

今回のお話のなかでは、特に「10月に開始予定の就労選択支援の動向」と「人材の確保と育成」についてが、今後の大きなテーマとなりそうです。


今や、就労への価値観は多様化し、支援者として長年取り組んできた私たちですら、「これが仕事とよべるのだろうか?」と感じる場面も増えてきています。

それは、「古い価値観」「新しい価値観」といった明確に分けられるものではなく、「限りなくグレーだが、求められている」といった、まさにジレンマを抱える状態が、もはや当然となりつつあります。

こういったジレンマを整理しながら、自分なりの価値基準を持つことが、これからの就労支援の現場で働く私たちに求められているのかもしれません。

「みんなちがってみんないい」

だからこそ、私たちは常に学びを必要とするのかもしれませんね。


ということで、最初の原点回帰の会はいかがだったでしょうか?

今回より、配信は会員限定とさせていただきました。

「遠方にいて、参加することはできないけれど、動画で視聴したい」とご希望の方は、これを機に個人会員(オンライン会員)になってください。

すぐに会員のサイトにご招待します!

すでに35名となった会員ですが、是非、みなさんご検討ください!


あまりにもりあがりすぎて、写真を撮り忘れてしまいました💦

今回はどうかお許しください🙇


福岡・筑紫地区地域福祉支援協会 寺川(非常勤もあと少し!)







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