第39回福岡筑紫地区就労支援事業所運営連絡会(通称:原点回帰の会)のご報告

今回の原点回帰の会は、個人的にひさしぶりの参加となりました。また、井福さんが急遽、諸事情で欠席との知らせもあり、これまたひさしぶりに松尾さんとふたりで仲良くトークな原点回帰の会となりました。チキンの会よりも歴史的には長い研修会であり、松尾さんとは、これまで長年のお付き合いということもあり、緊張もなく楽しくお話させていただきました。



今回は、先日、インターネット等でも大きなニュースになった「B型と一般就労を併用/障害者の収入増に新たな道」「就労継続支援A型事業所閉鎖に伴う障害者5000名の大量解雇」をテーマにお話させていただきました。個人的にもホットな話題でもありましたが、松尾さんとの話をすることで、より、自分の考えや就労継続支援B型、A型事業に求める役割やあり方について、ブラッシュアップできたように思います。



まず、B型と一般就労の併用については、正直なところを言えば、必要な方々にとっての必要なあり方なんだろうなといった印象でした。ニュースでは、社会福祉法人に委託されている「中間支援事業者」の存在とありましたが、結果的に委託先の事業所の力によって、大きく左右される内容との印象をうけました。これまでも数多くの役割を委託された事業体がありましたが、結果的に地域の社会資源や委託先の役割に対する運営法人や事業所の積極性の有無、本体事業の状況に左右されない独立した人員配置など、本来の目的である「地域で生活する障害を抱える方々のため」に、いかに心血を注げるかといったところが、結果的にその地域における役割を果たし、法人や事業所の信頼につながるのだと思います。次にお話したA型の閉鎖問題にも関わるのですが、要は、「継続することの難しさ」と、継続するために運営法人がどれだけのリソースを割けるかが重要な側面だと思いました。



毎回、定期的に制度が変わり、新しいサービスが生み出され、その度に利益につながるのかが議論され、「取り組むもの」あえて「見守るもの」、「立ち上がり」そして「閉所され」、そうやって利用されるご本人たちが振り回される事態は、周囲で見ていてもうんざりしてしまいます。同時に、B型の本来の役割も変わりつつある今、これらの事業を取り組むことが果たしてB型にとっても意味があるのかと考えると、積極的に推し進める側になれない私もいるのが正直な気持ちです。



次に就労継続支援A型閉鎖の問題ですが、これも早い段階に予測されたことであり、正直、驚くほどの内容ではありませんでした。それは、私が何よりも数多く抱えている利用者やご家族に対して、「私がお勧めするA型」としての紹介を行ってこなかった理由でもあります。本人たちがA型を選択し利用すること自体を否定しているのではなく、私が相談支援専門員として、個別でのA型事業所を紹介してこなかったというだけの話です。その背景には「継続されないリスク」が背景にはあったことがとても大きいです。これまで、同じ計画相談の数多くの相談支援専門員が、B型に行こうとしていた利用者に対して、A型を『強烈に』勧めている姿を数多くみてきました。今、こうやって閉所が続いているなかで、その相談支援専門員の中のどの程度の方が、自分で行ってきたことへの責任を感じているのか甚だ疑問ですが、事業の良い面だけしか理解してこなかった相談支援専門員にあたると、こういった問題の渦中に巻き込まれ、問題に直面する障害を抱える方々がいるのではないでしょうか。おそらく、今回の退職者5000名の中にも、計画相談の相談支援専門員に誘導された、ある意味『犠牲者』が数多くいたのではないかと推測します。私たちは、人の人生に関わる仕事だと良く言いますが、相談支援の現場であっても、こういった問題が生じることが度々あります。もし、私たち計画相談の相談支援専門員がその責任を感じるならば、是非、謙虚に謝罪から入るべきだとも思います。



そして何より、過去に(今でも?)、A型事業所設立コンサルタント(福岡は就労移行とA型の多機能型設立コンサルタント)が跋扈した時期がありますが、その内容をみても、とてもうまくいくとは思えませんでしたし、そういった状況をみて、当時から担当する利用者を私から勧めることはどうしてもできませんでした。厳しいようですが、そのツケや皺寄せが今になって問題視され、結果的に制度が厳しくなり(はしごを外され)、今更ながらに事業所側が適応できなくなっただけだと思います。私の担当地域でも、徐々に首元を絞められている事業所もあるのではないかと思います。もはや、企業とのタイアップや自法人における収益事業がない限りは、A型は存在できないということがよくわかります。今後は、そういった視点でA型事業所を見ていく必要があるのではないでしょうか。



最後に、ほんの5〜6年前まで、支援学校を卒業する児童を抱えるご家族は、進路先を聞けば口を揃えて「A型に通わせたい」と言われていました。重度の障害を抱えるお子様を除けば、10人いればほぼ10名がそう言っていました。今は、少なくとも私が担当する利用者やそのご家族は、余程の理由がない限り「A型」を選択する人はほとんどいません。A型に行く前に、就労移行や生活訓練などを通じて、まずは一般企業を選択する方が増えた印象です。また、B型を選択する人は、B型の利用目的がより明確になっており、だからこそ安易にA型を選択しなくなってきました。A型を選択する場合も、あえてその業務内容をみて、事業の安定性を確認するようになりましたし、障害特性への配慮を期待する方も増えました。しかし、それを実現するためには、正しい情報と正しい評価が行われることが前提です。であれば、計画相談の相談支援専門員の役割は、今後もますます大きくなり、さらにその責任もまた大きくなることでしょう。


私は常々、「私たちに求められる最大のニーズは継続性である」ということを伝えてきました。閉所するということは、本当に罪深いことであり、普段からそうならないように、先を見越して動くことが求められます。個人的には、事業所の「閉所」の経験をしているからこそ、その罪深さを今でも感じながら業務を行っています。一般企業において、これらのことは至極当然なことであり、福祉だから許されるわけではありません。企業は、経費が利益を上回れば、赤字になり倒産します。「福祉だから」は通用しません。企業では、「見通しが甘かった」「経営センスがなかった」ということになりますが、福祉もまた、同様に言われます。そして何よりも、障害を抱える方々を路頭に迷わすことになるのです。だからこそ、一般企業以上にその責任を感じて取り組まなければなりません。もともと福祉の制度設計は、儲かりもしないが倒産もしないが前提です。もともとがそうなので、1〜2事業所がうまくいったところで、コンサルを名乗れる程優れた経営者というわけではありません。ましてや「儲かる」に踊らされたのは、自ら調査し、設立すら他人に任せてきた「あなた自身」の問題でもあります。儲かる背景には、あなた以外の誰かやどこかにその皺寄せが生じていると考えるべきだったのです。


話がそれましたが、私たちの仕事は、人の人生、人の生き死に関わる仕事なのです。だからこそ尊いのであり、常に真剣であり続けるべきです。もう少し、「儲かる」を考える前に、人の生き死に関わる仕事である自覚を持っていただけたら幸いです。



今回も、こんなお話をつらつらとさせていただきました。松尾さんも、終了後から音響機材の設営に行くとのことで、午後9時には撤収されていました。みんな忙しいなかで、手弁当に取り組んでもらっている勉強会です。来年度に向けて、私たちももう少し考えていく必要を感じる「今日のこの頃」です。


次は8/30(金)午後7時半から「対話の会」です。松尾さんどうぞよろしくお願いいたします。(最近、会っていないせいか、松田さんと松尾さんをよく間違えてしまいます💦)


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