第41回福岡筑紫地区計画相談支援研究会(通称:チキンの会)のご報告

 



今回は、「計画相談における児童発達支援管理責任者との連携ポイント」というテーマでお話させていただきました。今回も、話がとっちらからないように、以下のようなレジュメを準備しての内容をお話させていただきました。



1.児童分野を理解する上で欠かせない「児童福祉法」

まず、児童分野のことを知る上で理解しなければならないこととして、「児童福祉法」についてお話させて頂きました。現在の児童福祉法の理念は、「国連子どもの権利条約」の批准によって大きな影響を受けています。国連子どもの権利条約では、以下の4つの原則が歌われています。①差別のないこと、②子どもにとって最もよいこと、③命を守られ成長できること、④子どもが意味のある参加ができること、です。私は、これを「子どもが最大限、成長できることを保証すること」とお話しましたが、まさに、児童福祉法に基づくサービスを提供することは、これらの念頭に支援することが重要なのです。だからこそ、児童のサービスは、大人のサービスとは違い、能力に応じてサービスが提供されるのではなく、必要に応じてサービスが提供されるのは、そのせいです。



2.児童発達支援・放課後等デイサービスについて

 もっとも児童が利用している児童発達支援と放課後等デイサービスについてお話をしました。配置基準や設置基準は詳細を伝えたいのではなく、相談支援専門員として、支援がどのような体制で行われているのかの判断基準となればと思いお伝えしました。また、1日の流れの把握は、サービス担当者会議やモニタリングのための訪問など、私たちが開催をお願いする時間が、無意識のうちに事業所の負担にならないようにするための配慮ポイントとしてお伝えさせていただきました。



3.児童発達支援管理責任者の役割

 全体的に不足と言われている児童発達支援管理責任者ですが、児童発達支援管理責任者は、必ずしも児童分野の専門家とは限らないという認識を持つ必要があります。そもそも、児童発達支援管理責任者の役割は、支援者をまとめる役割であること、情報を集約して個別支援計画を作成し、共通した支援を行うことが目的です。児童指導員さんの方が経験が多いということも当たり前にあります。そして、現在は大人のサービスの個別支援計画とは違い、5領域+3つの支援を計画に落とすことが必要になります。年々、児童発達支援管理責任者の役割が大きくなるなかで、地域で児童発達支援管理責任者を育てていく視点が必要であることをお伝えしました。



4.それぞれにしかできない支援の視点とあり方

児童のサービスで共有すべきは、利用者(受給決定者)が保護者であることです。保護者(または養育者)であるということは、基本、利用児童よりも保護者とのやりとりが中心となりますが、私たちは常に、子どもの権利や意思にも注目していく必要があります。また、児童発達支援管理責任者は、子どもを日常的にみていますが、計画相談の相談支援専門員は、俯瞰的に見ており、役割に大きな違いがあります。計画相談は、日々の支援を行なってくれる事業所に対して敬意を表しながら、定期的なモニタリングを通じて、変化を確認する、それは、保護者であり事業所であり学校の努力の成果に気づくことで、直接的なことばではない労いを行なっていることを忘れてはいけません。まさに、変化に気づくことが、相談支援専門員には求められていることをお伝えしました。



5.児童分野の支援の難しさ

 児童分野のサービスを提供する支援者には、必ずというほど大きな課題に直面します。なぜなら、未成年である子に対して、保護者の管理・監督責任が大きいために、最終決定は保護者(養育者)が決めることが多いためです。であれば、私たちは常に、子どもに関する情報を適切に提供することで、保護者の選択・決定のための側面的支援を行う必要があります。子どもの力の過大評価しても過小評価しても、その影響は子どもに向かいます。私たち相談支援専門員が常に考えていく必要があるのは、児童発達支援管理責任者を含む現場職員さんや学校の先生と協力しながら、まさに子どものもつ力をそれぞれが適切に評価していくための機会を継続してつくっていくことです。保護者はときに「大人のエゴ」を通すときもありますし、子どもは「わがまま」を通すときもあります。不登校やひきこもりの問題は、それだけで社会問題化しています。もはや、「同じ事例がひとつもない」のが児童分野の難しさでもあります。だからこそ、「ひとりで背負わない」「解決を求めない」「時間をかけて丁寧に進める」ことが必要であることをお伝えしました。



6.児童分野と障害者分野の情報の橋渡し

 ひとりの人間の人生には、誰しもが「子ども時代」「大人の時代」があります。児童分野だけを知っていてもダメですし、大人だけを知っていても本質がわからないというのが、児童から大人まで担当してきた私個人の結論です。私たちの知識不足が、保護者や児童の選択を大きく変えることを考えると、私たちもこうやって学び続ける姿勢が必要です。「18歳の壁」と呼ばれる大きなサービスの変化に、私たちは子どもも保護者に対しても、その準備を早くから伝えていく必要があります。伝えることで、保護者は「予測」「準備」ができますし、実際に直面しても、冷静にアドバイスや情報を求めてくれるようになります。それは、結果的に私たち支援者のリスクマネジメントにもつながるということです。また、最近は周知されてきた自閉症スペクトラムやADHD、LDといった発達障害ですが、それまでの知的障害や精神障害の支援ではうまくいかないことが多いです。直接支援をしない私たち相談支援専門員も「発達障害アプローチ」と「知的障害アプローチ」については知識として持っておくと、それは結果的に支援に関する提案ができたりすることにもつながり、相談支援専門員の存在意義を感じてもらえるきっかけにもなることをお伝えしました。



7.児童分野から成人分野まで知ることの重要性

 これまで行なってきたお話のまとめとしてお話しましたが、児童分野しか担当していない相談支援専門員は、是非、大人のサービスも担当してほしいと思います。逆に、大人の分野しか行なっていない相談支援専門員は、是非、こどもの分野も担当してほしいと思います。どちらかが得意であっても、目の前の利用者の人生は「連続性」があります。どちからを担当するために、担当地区を広げるよりも、両方を担当して、より地域を見ていくことの方が、私は重要な時代に入ってきていると考えます。そのためには、相談支援専門員と児童発達支援管理責任者との連携は欠かせませんし、事業所に対するリスペクトも忘れてはいけません。他人を評価するのはよいですが、評価することは相手から評価される立場であることも、決して忘れてはいけない視点です。是非、地域のために日々の努力を行なっていきましょう。




余談ですが、今後は「発達障害者専門の高齢者施設」なんかもできそうな気がしていますが、みなさんどう思います?(笑)




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