第43回原点回帰の会のご報告です。25名に及ぶみなさんにご参加いただきました。
今回は、私たちも協力させていただいている福岡市東区で開催された「オトナの学校」の初回と残念ながら重なってしまいましたが、お互いに盛会となったようでよかったです!
さて、今回の原点回帰の会は、「就労選択支援事業」について、熊本でのモデル事業視察報告を中心に、現場の生の声を聞くことができる貴重な機会となりました。
松田さんの視察報告から見えてきたこと
モデル事業の実際
計画相談支援室ノーマの松田さんが、先行している熊本のモデル事業視察について詳しく報告しました。対象は特別支援学校3年生3名で、実際に事業所で2週間(計10日間)のアセスメントを実施したとのことでしたが、これまでの就労アセスメントとは明らかに違うアプローチだということが分かりました。
使用されたアセスメントツール
- BWAPツール(発達障害者向け)
- ボールペン組み立て作業の時系列データ
- OBカード(知的能力が低い方でも職業選択可能)
- JEEDのアセスメントシート
特にOBカードについては初めて聞きました。人との接触が苦手と自己認識していた方が、実際にはコーヒーショップ店員やハンバーガー店マネージャーなど、人と交流する仕事を選んだという事例は印象的でした。
課題がやまほど...
1. アセスメントの課題
- 知的障害者への聞き取りの困難さ
- 質問の意図理解だけで時間がかかる
- JEEDのアセスメントシートが知的障害者には不向き
- 作業以外の実生活アセスメントは家族・学校からの聞き取りが必要
2. 地域連携の課題
- 多機関連携会議の日程調整が困難
- 地域の事業所情報の把握不足
- 情報提供時の理解促進の難しさ
3. システム面の課題
- アセスメントデータの多機関共有システムが必要
- 地域共通のアセスメントシート開発の必要性
- AIを活用した事業所検索システムの構想
参加者の不安と期待
会場では様々な不安の声が上がりました:
- 「明らかにA型適性の人にB型向けアセスメントを行うのか?」
- 「就労選択支援事業所の数が足りるのか?」
- 「形骸化しないか?」
一方で、熊本での取り組み(100円ショップ素材での統一アセスメント、AIを活用した評価、保護者の勉強会参加など)には希望を感じました。
相談支援専門員としての思い
今回の研修で強く感じたのは、就労選択支援事業は単独で完結するサービスではないということです。計画相談支援、特別支援学校、家族、各種就労支援機関...すべてが連携して初めて意味のあるものになります。
特に印象に残ったのは、井福さんが最後に話した「原点回帰」という言葉。制度や仕組みがどんなに複雑になっても、結局は「ご本人の思いを叶える、夢を叶える」ことが原点だということを改めて確認できました。
今後に向けて
令和7年10月開始まで半年しかありません。地域によって格差が生まれることは間違いないでしょう。だからこそ、今回のような勉強会や情報交換の場がより重要になってきます。
コネクトの松尾さんからご案内いただいた大野城市の就労部会(第3木曜日10時〜)にも是非参加して、新しい情報に触れる機会も必要となるかもしれません。市外からでも参加可能とのことで、この地域全体で就労選択支援事業を支えていく体制作りに、私たちも少しでも貢献できればと思いました。
最後に
新しい制度の始まりに不安はつきものですが、それ以上に可能性を感じる研修でした。利用者一人ひとりの可能性を最大限に引き出すための新しいツールとして、就労選択支援事業をしっかりと理解し、活用していきたいと思います。
今後も継続的に学び、地域の仲間たちと情報共有しながら、制度の質向上に貢献していきたいと思います!
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