第35回福岡・筑紫地区福祉倫理研究会(通称:対話の会)のご報告


私が1人で主催する対話の会は今回で最後ということでどんなテーマにしようかと悩んだのですが、「私たちの今からとこれから」をテーマにし最後の対話の会を行いました。


私のグループではまず、訪問看護の方から「利用者数が増えない」「指摘したらスタッフが辞めてしまう」という事業所の課題について話題提供がありました。

利用者数が増えない・・・。これは訪問看護だけではなく福祉サービス事業所においても悩まれている事業所も多いのではないでしょうか?

まず、私たちの事業所がある筑紫地区において訪問看護事業所がどれくらいあるのか調べてみました。

筑紫地区医療・介護資源ガイドブック令和6年10月更新分で記載されている情報で言うと筑紫地区にある訪問看護事業所数は57事業所でした。ちなみに筑紫地区にある計画相談支援事業所数は60事業所。ほぼ同数の事業所が点在していることになります。もちろん、筑紫地区を担当エリアとする訪問看護事業所は福岡市内を含む周辺地域の事業所も該当すると正しく戦場だと言えます(汗)

増え続ける訪問看護事業所。まだまだ事業所は足りていないのでしょうか。

アットホームな事業所を謳う事業所にはすでにアットホームな空間が出来上がっているだろうから逆に敬遠してしまう方もいるのでは?と言うお話や、行政負担が生じるところもあるからこそなかなか認めてもらえない実情もあるのではないかという実情に応じた話も聞けたことは私自身も大きな収穫だったと感じています。



筑紫地区では知らない人はいない指定相談支援、障害児相談支援において20名の相談支援専門員を要する管理者のIさんのこれからのプロジェクトの話がすごかった。福祉サービスだけではなく別法人を立ち上げフードバンクや今後、居住支援法人への展開も考えている成長著しい事業所の管理者の話はいつも私たちの先を見据えていろいろな取り組みを思考している方です。


注目すべきは九州大学の専門家、ジョブコーチに対してコーチする方とのコラボ。

空間インクルージョンとしてさまざまな障がいを持つ方の地域の商業施設等への配慮として視覚的に2色覚の方や発達障害を持つ方の空間的なデザイン?を施工していく取り組みに携わっていくとのこと。その実質的な提供の場としてI氏が関わっていくとのことで今後の展開にめちゃくちゃ期待してしまいました。


もう一つ、I氏から教えていただいたのがプラウドノート。

世界初のAI ボイスレコーダーであり、録音から文字起こし、要約までAIにお任せできる優れものだとか・・・。

I氏の事業所では来年には全ての相談支援専門員に導入できるように思考しているとお話をいただきました。また、東京では相談支援専門員のサービス等利用計画案等への紐付けもできるようにしている事業所もあるようで、I氏が訪問しその実態を確かめてくるとお話しされてました。筑紫地区の計画相談においての経営理論はその知識を活かしシステムを構築してきた1人。その風貌からは輩感満載ですが相変わらず私たちに新しい風を吹き込んでくれるその優しさ、ぶっ壊れ感に頭が下がります。Iさん褒め言葉ですからね(笑)



強度行動障害者が入居しているGHの管理者やエリアマネージャーとのやり取りの中で計画相談支援事業所の相談支援専門員が市から通報されてもやついたと言う話もありました。事前に家族と事業所との話の中でGH側も次の住まいの場でもあるGHを探していくと決定していたのにも関わらず、「相談支援専門員が探さない」と市に通告。その後、市の担当から相談支援専門員へ連絡があったと言うもの。サービス管理責任者とエリアマネージャーとの間での情報共有や福祉サービスの内容をよく理解していないまま業務に当たっていることで生じている課題だと感じました。


別のグループでは医療的ケア児者の支援についての話や新規事業所を立ち上げた時の事業所の名前・・・。カスタード?甘くも柔らかくもふわふわなイメージでとか?初対面の支援者と仲良くなるために質問することとして初めて買ったCDは何か?を質問するなど。

何かいろんな方向に話題が展開したようでした(笑)



余談ですが私の1年はどうだったのか。

20数年のキャリアの中で大きな転換期ともいえる年だったと思います。

4月には通信制で社会福祉士を取得するために専門学校へ受講しました。

理由としてはさまざまあるのですが自分自身のキャリアアップや知識を充実させていくため、私が所属する計画相談支援室ノーマにおいては主任相談支援専門員が4月の時点で2人いたので機能強化を取っている事業所であり主任相談支援専門員がいる事業所においてはソーシャルワークを行う国家資格である「社会福祉士」、「精神保健福祉士」を取得しているものであれば「相談支援員」としてその相談支援専門員が行うサービス等利用計画案の作成やモニタリングを行うことができると国が明記するようになったことも理由としてあります。計画相談支援室ノーマでは「相談支援員」を今後採用していこうという話をしていたことも理由として大きいです。

私自身も相談支援員に対してOJTを含む相談支援専門員としての必要な力を伝える役割を担っていく以上、私自身がその国家資格を所持していないとそのソーシャルワークとしての理念や意味、スキル等を本当の意味で伝えることができないのではないかと考えたことが大きいです。

次に主任相談支援専門員研修を受講させていただいたことは大きかったのではないかと思います。自事業所に既に主任相談支援専門員が2人いたこと、また、相談支援専門員の初任者研修、現任者研修等のファシリテーターを担う中で講師や他のファシリテーターの方が所持している資格として当然ながら意識していた資格であったと思います。その研修で言われていたことは正しく地域づくりであり、人材育成であり、スーパーバイズを担うことな地域の中核を担う相談支援専門員としてのあり方、自立支援協議会への参画など3日間の研修で叩き込まれた内容でした。


周囲の主任相談支援専門員の方々を見ると既に自分自身の哲学に基づいたあり方や取り組みを進めている方をみて嫉妬や不甲斐なさを感じながらも個としてその方々とは違う自分のあり方をどのように取り組んでいくのかを模索している状況です。


ちなみに今回、福岡県内においては50名の主任相談支援専門員が誕生しました。その内、筑紫地区においては私も含め6名の主任相談支援専門員が誕生しています。筑紫地区約45万人の地域において6名の主任相談支援専門員が誕生したことは私個人として異常ですし異質なことだと感じてしまいました。ただ、それだけ行政から推薦を受けたことを考えると期待されている地域でもあると考えています。


その他も色々とあるのですが・・・。

なんと言っても福岡・筑紫地区福祉倫理研究会(通称:対話の会)を継続し続けることができたことが大きいです。



思い起こせば2019年2月26日。当時は社会福祉法人の計画相談、たった1人の相談支援専門員として目の前の利用者と関わる中で多くの失敗をしながら苦悩している日々でした。自分の苦悩を共有し共感できる支援者も事業所にはおらず、これからの他者との関わりの中で対話の必要性を感じ学びたい思いを一心に尋ねたのが今は同僚のノーマの寺川さんでした。


それから動き出した対話の会。1回目が2019年4月26日。それから約5年間継続できたことはこの会の意味や目的を理解し参加していただいた皆様。運営、事務局に徹してくれたみなさんのおかげだと改めて感謝しています。

今でこそ当たり前に言われるようになった「権利擁護」、「意思決定支援」、「心理的安全性」はこの数年間でより鮮明にかつ明確に表に出てくるようになってのではないかと思います。

障害者支援の歴史を振り返ると障害者の方達は「管理される人」「指導される人」と私がこの世界に入るときは根強く残っていたものでした。そう、障害がある方の人生や選択は本人自身が決めずに他者が決めてきた歴史があったのです。

私自身もいわゆる管理、指導する立場としてこの業界に足を踏み入れました。目の前の利用者を直接指導し介助し起きている行動問題を分析し無くしていく。計画相談を始めた当初は直接支援者の思考が頭から外れず「こうあるべき」「こうずべき」などのべき論を当たり前のように言っていましたし、自分がコントロールし管理しようとしていたと思います。周囲の関係者、支援者、利用者を失望させながらも自分から離れていった方達を他者のせいするなどたくさんの失敗を重ねてきたのも事実です。


対話の会を通じて地域や他者に貢献できたのか・・・。

これは実感としてよくわからないのが現実です。


ただ、私個人としては皆さんとの対話の中で大きな学びと成長を実感することができました。テーマを元に対話を行う中での学びも大きかったですが、日々の業務の中で葛藤する不快感や不安感。それでも振り絞って他者と向き合うために勇気を出して関わろうとするのですが、その勇気って結構すぐに枯渇してしまって。どちらかと言うとその枯渇する勇気をみなさんにいただいていたような場だったと認識しています。


本当にありがとうございます。


次回からはチキンの会と合流し今までに無いより深めた研修内容を企画しています。

てりやきチキンの会となるのかフライドチキンの会になるのかは不明ですが、地域の対人援助職の方が気軽に立ち寄れる学びの場としての位置付けは変わらず研修を行なっていく次第です。今後も変わらずお時間許す限り参加いただけるとありがたいです。


素敵なクリスマスとお正月をお迎えくださいね。


福岡・筑紫地区福祉倫理研究会(通称:対話の会) 

担当:松田




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